つばめ日記帳

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■ 霧の季節2014/11/19(水) 18:32

仕入れから戻ると、もう外はすっかり暗い。この季節は、夕方になると、あっという間に霧が出る。通りの明かりも、看板も、みんな滲んで見える。霧越、という名前は、よくできていると思う。

水曜の夕方は、いまも少し落ち着かない。もう長いこと、あの電話は鳴らないのに、体のほうが、覚えてしまっているらしい。

珈琲を一杯だけ淹れて、柱時計を見上げる。今日も、いつものことを、そっとした。…〔つづきをよむ〕

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■ 若いお客さん2014/10/22(水) 20:15

このごろ、水曜の帰りに寄ってくださる若い方がある。会社帰りらしく、いつも鞄が重そうだ。窓際で、ブレンドを一杯。ゆっくり飲んで、帰ってゆかれる。

若い方には、うちの店は退屈だろうと思っていたが、「静かでいいんです」と言ってくださった。ありがたいことだ。マメは早速、その方の膝を狙っている。

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青井:いつもお世話になってます。膝、貸してます。マメくん重いです(笑)
店主:これは青井さん。マメが失礼をしております。次はプリンをおまけします。
■ マメ、動かず2014/10/08(水) 15:44

めっきり寒くなってきたせいか、マメが一日じゅう私の膝の上から動かない。おかげで、仕込みがちっとも進まない。困った看板猫である。

静かな一日。書くほどのことは、何もない。ただ、水曜の夕方だけは、どうも手が止まる。歳を取ると、昔の癖ばかりが、体に残るものらしい。

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青井:マメくんの寝顔、癒されます。……そういえば先週の水曜、店の時計が僕のスマホより少し遅れてた気がしたんですが、気のせいですかね?
■ 珈琲は、苦い2014/03/05(水) 21:10

長いあいだ、水曜になると決まって電話をくださった方が、遠くへ越されたと、風の便りに聞いた。もう、掛かってはこないのかもしれない。

思えば、あの方が最後に店にお見えになったのも、水曜だった。窓際のいつもの席で、同じ珈琲を、ゆっくり一杯。長っ尻の人ではなかったのに、あの日は、なかなか腰を上げなかった。……いま思えば、あれが、挨拶だったのだろう。

店に、ぽっかりと穴があいたようだ。今日の珈琲は、いつもより苦く感じた。

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■ 春、まだ寒い2014/02/19(水) 19:58

二月の水曜は、夕方になると冷えこむ。ストーブの前がマメの指定席になって、お客さんが座る場所がない。

今日は夕方、久しぶりに黒電話を磨いた。もう、この電話に掛けてくる人も、ほとんどいないのだが、埃をかぶらせるのは、なんとなく、いやなのだ。

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